きみぶん演劇祭 ~演劇部~

10月4日(土)、5日(日)、君津市民文化ホールにて、『きみぶんchapter22 演劇祭』が開催されました。本校演劇部は、ステージ上でパワー全開の熱演を披露。またもや、最優秀賞を受賞しました。3年連続受賞の快挙を成し遂げました。

この演劇祭は、君津市民文化ホールが千葉県高校演劇11ブロックと共同で開催している催しです。今年は9つの高校と一般から1団体が参加する発表会となりました。各団体が渾身の演技を繰り広げ、会場は活気にあふれました。

 

今年は、本校演劇部オリジナル脚本による作品、『エール』を上演しました。夏の野球応援を巡り、応援団、吹奏楽部、野球部の部員たちが織りなす、青春群像劇でした。

上級生たちの野球応援に感激して、応援団の部室の扉をたたく1年生、北崎千明。しかし2年生不在の応援団では、春を迎えると部員は千明一人となってしまいます。一方吹奏楽部の南百花は、野球応援に熱中しすぎて周囲から次第に孤立していきます。

再び訪れた夏。野球応援がまさに始まろうとするときに、千明は卒業した先輩から、野球部と、野球応援を構成する応援団と吹奏楽部との関係が決して良好ではなかったという事実を伝えられます。コンクールに専念したい吹奏楽部、吹奏楽部を疎んじる野球部。各部の思惑が行き違い、人間関係にもギスギスした雰囲気が漂い始めるのですが...。

けなげに奮闘する千明と、天然だけど純粋な熱意を抱く百花が物語を牽引していきます。

 

上演後の舞台挨拶では、千明を演じた押足奈南さんから、「数年前、私たちの学校でチアリーディング部の部員が一人になってしまったことに着想を得て脚本を作りました。この劇を通して、見てくれた人が応援によって元気になってもらえるよう、全力で演じました。自分のことで目一杯な時でも、思いやりの気持ちをもって他の人に接することは大切なんだ、と思います。誰かに元気になってもらうための応援ですが、応援することで自分も前向きになれることを知ってほしいです」と語ってくれました。

 

壁や教室の扉に見立てたパネルを移動させ背景を動かすことで、回り舞台のような効果を生み出すアイディアは秀逸でした。舞台上の演者とともに、照明・音響・道具といった裏方の部員たちが、総力を上げて作品を作り上げてきた様子が伝わりました。

表彰式では、岡田虎大くんが、個人賞を受賞。1年生ながら、レギュラー落ちしていじける3年生野球部員を演じました。熱意や努力といった直球ど真ん中のテーマが身上の作品でしたが、コミカルな演技で作品に幅をもたらす重要な役柄をこなしました。

最後は息をのむ瞬間となりました。司会・進行を務める本校顧問の福田先生から「最優秀賞、木更津総合高校」と読み上げられると、部員達が観客席に陣取る一角からはどよめきが起こりました。はじける笑顔とあふれる涙、感動のフィナーレとなりました。