3年生学年集会
終業式を終えた後、3学年の生徒だけが会場に残り、学年集会を設けました。およそ2ヶ月間の長い冬休みに入る3年生に向けて、学校長他、学年に関係する担当者からさまざまな注意が伝えられました。
学校長は、「明日から長い休暇となります。羽を伸ばしたいという気持ちを抱くのは当然だし、高校生活最後の思い出作りをするなど、大いに楽しんで欲しいと思います。しかし卒業を間近に控えていることと、その日まではみなさんが本校の生徒であることを常に念頭に置いて行動して下さい。
さて、この時点でお伝えしたいことが1つあります。3年生のみなさんのほとんどが成人年齢に達しているはずです。卒業後の進路は、就職する人と進学する人に分かれますが、10年後、20年後には間違いなく社会を支える存在となっているはずです。現在2,000人という多くの生徒に恵まれている本校では実感し辛いのですが、日本社会は少子高齢化が急速に進んでいます。子どもの数が激減し、多くの小中学校の統廃合が進んでいます。また、日本の総人口に対する65歳以上の高齢者が占める割合が、20年前は14%ほどでしたが、現在は29%。さらにみなさんが社会で活躍しているであろう20年後には36%に達することが確実視されています。
高校生が毎月「就学支援金」という補助を受けていることは承知していると思います。就労者ではない子どもや学生、お年寄りを、主に税金を原資にして社会で支え合う仕組みがあることも授業等で習っていることと思います。各年齢層の人口比の推移を見れば、みなさんが社会を支える担い手となるころには、その負担はかなり大きなものになります。
一昔前までは、いったん就職すれば老後まで安泰が約束されていた時代でしたが、これから日本は急激に衰えていきます。この日本社会をどの様に支えていくのかということを是非考えて欲しいと思います。ただし、人を蹴落としたり、競争の末に自分だけが勝ち残れば良いと考えたりするのは間違いです。人が減っているからこそ、互いに力を合わせて社会を担っていく、協調し合い共同して社会を築いていくことがこれまで以上に大切になるのです。
みなさんは、この木更津総合高校で、個性豊かなたくさんの仲間達に囲まれて3年間を過ごしてきました。今後、その経験を大いに活かして活躍してくれることを期待しています。良い冬休みを迎えてください。2月27日には全員が元気に登校してください」と生徒たちに伝えました。
進学指導部長竹下先生は、まず進学を決定している生徒に向けて祝福の言葉を伝えた後「ご家族の支援他、周囲から多くの援助があって合格を果たしているはずです。感謝の気持ちを忘れずにいて欲しいです。また、入学までの3ヶ月間、決して無為に過ごすことがないようにしてください。進学先で学ぶ分野の書籍に目を通し知識を得ておくことは大切です。また、本校の生徒に限ったことではありませんが、授業について行けずに留年や中途退学に至ってしまう学生が一定数いると聞いています。一般受験を受ける生徒はまだ勉強を続けています。進学後に後れを取ることがない様、この期間を有効に過ごして欲しいです」と訴えました。また、これから一般受験を控えている生徒たちには、「多くの時間を割いて学習に励んできたからこそ、その胸に抱いて来た夢や希望は必ずかなうと信じて、最後まで諦めず頑張って欲しいです」と激励の言葉を送りました。
就職指導部長寺岡先生は、内定を受けた生徒に向けて「様々な努力をしてきた結果内定を勝ち取ったこと。また、超売り手市場という状況で優良企業からかなりの好待遇で迎えられていることを忘れないでください。この好機を棒に振るような事態は絶対に避けて欲しいです」と語り掛け、手続き書類の確認と提出期日を厳守すること、不確実な情報・無責任な勧誘に惑わされないこと、誤解を招くような情報・就職先の情報を安易にSNSにアップしないこと、と念を押しました。進路が未決定の生徒に向けては、「最後の一人が内定を勝ち取るまで、全力で対応します。1月以降も遠慮をせず就職指導室の扉を叩いてください」と呼び掛けました。
生徒指導部大島先生からは、運転免許の取得についての手順や取決めを守ること、「人の命と身体に関わることです」と断りながら取得後は安全運転に徹すること等、注意喚起がありました。「なにか事故やトラブルに巻き込まれるようなことがあれば、必ず学校に連絡を入れて欲しい」と訴えました。
最後に、3学年ハウス長森先生は、「いよいよ明日から冬休み、明けて1月からは3年生は家庭学習期間に入ります。まず、大学進学を目標にして1月の共通テストや2月以降の一般受験を受ける人は、ここからが正念場です。受験直前まで学力が伸びる瞬間はあります。大きな重圧を感じている時期だと思いますが、それを乗り越えてこそ合格したときの喜びは大きいはずです。頑張って下さい。
一方、ほとんどの人がこの時点で進路を決めています。家庭学習と言いながらも実質長期の休みです。しかし、4月までの丸3ヵ月は、次のスタートラインに立つ助走期間であると考えてください。無駄に過ごすのではなく、進学する生徒は必要な学習に取り組み、就職する生徒は仕事に関係するスキルアップに努めることが出来るはずです。
担任の先生方は君たちがいなくなった後も、他学年の授業を受け持ち、3年間の成績や記録の整理、卒業式の準備等、様々な業務に追われ多忙な日々を過ごします。そして、卒業するその瞬間まで、君たちが無事に過ごしているか気に掛けています。担任の先生に心配がかかるような行為は厳に慎んでください。それでは、次回登校となる予餞会の日には元気な姿を見せて欲しいと思います」と言葉を結び、集会を終えました。