シミズオクトガイダンス ~就職指導部~

6月6日、イベント企画を請け負う日本有数の企業、(株)シミズオクトよりスタッフが来校し、ガイダンスが行われました。

シミズオクトは、この業界でユニークな輝きを放ち続けている会社です。その大きな理由が2つあります。

その1つは、守備範囲の広さです。企業が開くコンベンション、エンタメ界のコンサート、スポーツではオリンピックのような大規模国際大会からG7のような世界の要人が集まる国際会議まで、「イベント」には実に様々な形態があります。多くの同業他社が、コンサート会場設営に特化したり、スポーツイベントを得意分野としたり、ターゲットとなる分野を専門に請け負うなか、シミズオクトはジャンルにこだわらず、マルチに手掛けてしまうのです。

 

2つ目が、『ワンストップソルーション』と言われるシステムです。通常であれば、デザインを担当する会社、制作・施工を請け負う会社など、いくつかの企業が作業を分担して一つのイベントを完成させます。そこを一社で担うのがシミズオクトです。営業に依頼が入ると、設計、制作、施工、警備・運営までの業務を一手に引き受けます。そうすることで、コストを下げたり、工期を短縮したり、クライアントの要望が正確に反映されるなど、メリットがたくさんあります。

 

だからこそ、国内のみならず海外からも頼りにされる、“イベント業界の雄”と呼ばれる存在になりました。テレビ局で自社の制作部門では賄いきれない大規模プロジェクトが発生すると、頼りにされるのがシミズオクトです。時には鉄骨を組み、「東京ドーム3個分」とか「大型ショッピングモール」に匹敵する巨大セットを作り上げることもあります。

さらに、有名タレントのライブイベント、『24時間テレビ』や『SASUKE』などの大規模番組、リオオリンピックの閉会式など、華々しい企画が紹介されました。京セラドームでコンサート会場を設営する動画を見ると、大勢のスタッフと100台を超える大小の作業車両が動き回り、ステージや巨大セットが流れるように出来上がってしまいます。実際には、かなり複雑な工程を経て完成させていて、スムーズに進むのは、事前に緻密な作業計画を立てているからです。1つの資材が遅れただけで作業全体がストップしてしまうことさえあるのです。完成に2日、撤去におよそ12時間。撤去作業当日の夜にはナイターが予定されているような綱渡りスケジュールもあるそうです。

 

千葉スタジオは袖ヶ浦市にある、舞台装置などを手掛ける制作スタジオで、全国に展開するグループの生産拠点となっています。スタッフ数151名、うち46名が女性です。第一から第三までのスタジオと屋外ヤードを備え、総面積15000坪の広大な敷地を有します。福利厚生施設として温泉まで用意されています。コンサート会場の巨大ステージやセットの全てがオリジナルで、その都度熟練の溶接技術でゼロから作り上げなければなりません。大量の資機材、工作機器を自前で揃えているため、そのメンテナンスには膨大な手間と時間が掛かります。チェーンにX線をあててクラックをチェックするなど、安全管理には余念がありません。

本校卒業生が現在6名働いています。その一人、入社9年目を迎える佐久間さんが、「やりがいは?」との質問に、「裏方の仕事ですが自分が携わった仕事で、有名なアーティストが多くの観衆を魅了して、多くの人達が満足して笑顔になってくれるのが一番うれしいですね」と爽やかな笑顔で答えてくれました。


もの造りの楽しさに魅了されてしまった人たちが大勢働いている会社、それがシミズオクトです。